期間:2021年 3月20日(土)~3月28日(日)
作家:山口 桂志郎
<展示概要・作家コメント>
今回の展示はコロナ禍での展示となり、繰り返される非常事態宣言、医療崩壊の危機、様々な情報の錯綜、非日常的な状態が日常になる中、アーティストとして、この状況でどのような作品を作るべきか自問自答しながら制作し、これまでの自身の作品とは違った作品群により、展示構成しました。
私の担当した第一ステージのテーマは「誕生」であり、展示会場である仁和寺宸殿は火災により再建されており、その「火」を誕生の前触れとし、最初の部屋を構成し、そこから様々なイメージを喚起させる作品を次の部屋へと配置していきました。
また、仁和寺所蔵の国宝「孔雀明王像」からイメージを発展させ、死と再生を司る蛇、それを食べる孔雀、医療を司るアスクレピオスの杖、旧約聖書の火の蛇等をモチーフとし、蛇を流木に見立て、蛇、毒、薬などイメージを変化させながら各部屋を構成していきました。
展示当時、コロナ禍の始まりから1年程経ち、コロナ感染者の容態の急変化の多くはサイトカインストームという免疫暴走によるものと判明しました。本来私たちの身体を守るはずの免疫機能により多くの、死者重症患者を出しました。現代人の多くが抱えるアレルギー症状も同じ原理であり、漆によるかぶれもアレルギー症状によるものです。
これまで自身の作品に漆を使用してきた経験から、かぶれの反応を作品化する為、自身の身体に漆で文字を書くという映像作品を制作しました。
<展示の様子>
会期初日に行われたトークセッションでは担当された『御室藝術祭ロゴ』に込めた思いや、作品の制作意図が解説されました。
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